時の彼方で、ひとりだけ息をしていた

視線と存在感

誰かがいた気配も、何かが起きた音もない。

時間が止まったような遺跡の中、

彼は静かに立っていた。

柱は崩れ、空は閉ざされ、名もない神殿は忘れ去られていた。

それでも、彼の呼吸だけがそこにあった。

声を発することもなく、何かを求めることもなく。

ただ、存在していた。

それだけで、美しかった。

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