ふりかえれば、きみがいた気がした

視線と存在感

湯けむりの向こうから、気配がした。

誰もいないはずの静かな温泉地。

それでも、なぜか「きみがいる」と思った。

振り返ったその先に、本当にきみがいたわけじゃない。

だけど、少しだけ笑ってしまったのは、

たぶん心のどこかが「きみに見つけてほしかった」からだと思う。

湯けむりの中で、感情の輪郭だけが浮かび上がる。

触れられなくても、それでも確かに、いた。

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