視線と存在感

視線と存在感

声を出さずに、闘っている

誰もいない静かなジム。音がないからこそ、自分の鼓動だけがやけに響いてくる。汗の重み、体の震え、迷い。それでも、誰にも見せることなく、黙って積み上げるしかなかった。声を出さずに、闘っている。負けそうな自分に。なにひとつ言い訳せずに。限界は超え...
視線と存在感

ふりかえれば、きみがいた気がした

湯けむりの向こうから、気配がした。誰もいないはずの静かな温泉地。それでも、なぜか「きみがいる」と思った。振り返ったその先に、本当にきみがいたわけじゃない。だけど、少しだけ笑ってしまったのは、たぶん心のどこかが「きみに見つけてほしかった」から...
視線と存在感

その視線の先に、彼がいる。

ふとしたとき、視線がそこに吸い寄せられることがある。静かに、ただ立っているだけなのに、目が離せなくなる瞬間。それはきっと、“見られている”ことを、どこかで彼が知っているから。バスタオル一枚。それは、身体のすべてを隠しているようで、実は、いち...